【VOL.29】フードユニット「aina(アイナ)」安藤美保さん・高原由香さん・徳好琴美さん

 

 

今回のゲストは、フードコーディネーター、ソムリエ、パティシエによるフードユニット・aina(アイナ)。食を通じてたくさんのハッピーを届けたい!と2005年に結成されて4年。それぞれ個人でも活躍されている3人にお話を伺いました。

 

 

★フードユニットとしてどのような活動を?

 

安藤美保さん(以下安藤)料理やお菓子の教室のほかに、雑誌にレシピを提供したり、撮影スタイリング、イベントのフードコーディネートなどです。
2005年に結成して以来、ずっと忙しかったので、今年は各自の活動を掘り下げようと思っているところなんです。私の教室も4月にリニューアルします。2年くらいやっていると伝えたいことが、明確でなくなってきて。私たちもステップアップしないといけないと思うようになってきたからです。イベントなどはユニットで不定期で行う予定です。

(写真:安藤美保さん)


 

 

 

★ソロ活動の年ですね(笑)。ではそれぞれの経歴とプロフィールを。

 

安藤 OLだった25歳くらいのころ、手に職を付けたいなと思って食のほうへ行こうと。「コムシノワ」でサービスから始めて、ワインショップで働きながらソムリエの資格を取りました。どっちかいうとノムリエですけど(笑)。
レストランに2年、ワインショップに2年いてからフリーのフードコーディネーターになって、雑誌の仕事やカフェの立ち上げなどに関わりました。
今、独立して10年くらいですね。主人がワインショップを経営しているので、ワインをからめつつ活動しています。ユニットの立ち上げは2005年で、ここ2~3年くらいは主に3人で活動してます。

 

高原由香さん(以下高原) 私も2年ほどOLをしてたんですが、家ではお菓子をずっと作ってました。仕事を辞めてしばらくすると、お菓子を作ってほしいという声がちらほら出て、買ってもらえるようになって。それで本格的にお菓子を焼き始めました。そのうち、「技術が足らないな」と思うことが多くなったので洋菓子学校の「ル・コルドン・ブルー神戸校」に行き始めて、そこで琴美ちゃんと知り合ったんです。
アイナが立ち上がったのもそのころ。今はカフェやショップのイベント向けにお菓子を卸したり、個人のお客さんにブログで直接販売していて、もう5~6年になります。個人ではTrabajo(トラバホ)という名前でやってます。

 

徳好琴美さん(以下徳好) 私は雑貨の仕事がしたかったので、大学卒業後は南船場の雑貨店に勤めてました。そこでレセプションパーティーや作家さんの展示のときにお菓子を作ったり。(高原)由香さんと同じように、もっと技術を磨きたいと思って学校へ通いました。コルドンブルーは夢だったので。
最初アイナはお2人でされていて、はじめ私はお客さんで行ってたんです。ちょっとお手伝いもしてたんですが。気付いたら仲間に入ってましたね。

 

安藤 巻き込まれた(笑)。

 

高原 (徳好)琴美ちゃんは、個人ではcototoko(コトトコ)という名前で活動しています。

 

徳好 カフェや雑貨屋さんに卸用のお菓子を作っています。


 

 

 

★アイナ結成のいきさつは?

 

高原 もともとご主人は知ってたんですが、ワインショップに買いに行ったとき(安藤)美保さんがいて「ワインをコンポートにするんだけど、どんなワインがいいかな」という相談話から始まって・・・飲み友達になりました。

安藤 最初ケータリングを頼まれて、2人なら料理もお菓子もできるし、「一緒にしない?」と。盛り上がってアイナの結成。早速、結成イベントをしたのですが…。

高原 めちゃくちゃしんどかった(笑)。

安藤 うちのワインショップの近くにある「チアコア」という雑貨屋さんのスペースでイベントを1週間しました。

高原 カフェして、毎日メニュー変えてお弁当も作って。どうしてだか、すごく張り切って(笑)。それこそ徹夜とか。毎日1000円の栄養ドリンク飲みながら。

徳好 私はまだお客さんだったんですけど、作ったジャムを売らせてもらいました。シャンデリアとか、ディスプレイもすごくかわいくて…。

安藤 ディスプレイも2回くらい変えたね、今だったらもうできないかも(笑)。最後にプレスの方々を招待するパーティーをして、そこからつながりもできました。2007年には2周年イベントもしました。琴美ちゃんが今働いている阿波座のカフェ「シェ・ドゥーブル」で。あのときもホテルに泊り込みでした。

徳好 ランチやディナーボックスとか、物販もしましたね。

高原 ここ4年くらいで何度か死ぬほどしんどい経験をしたね(笑)。写真:高原由香さん)


 

 

 

★小さいころから料理好きだったんですか?

 

安藤 母が料理もお菓子も好きで。道具が揃っていたので、よく母と一緒に作ってました。ママレンジで作った小さなホットケーキを父に食べてもらったりするのが喜びで。
実は就職でコクヨに入社したんですけど、事務じゃなくてロフトの雑貨販売のほうに配属されたんです。食器のディスプレイ用に自分でパンとか焼いたりしてるうちに、面白いなあ~と思って。それで運命が変わってしまった(笑)。

徳好 私もそうでしたね、家でよく手作りしてました。4人きょうだいなんですけど、母は、誕生日ごとにケーキやお子様ランチのプレートを作ったり。

高原 うちの母もよくお菓子を焼いてました。それと小学校のとき、クラスにお菓子を作って持っていくのが流行ったんですけど、それがすごく楽しくて。好きな男の子に食べてもらいたくて、彼の誕生日を狙ってクラス全員分作っていって、それなのにお誕生日当日には、疲れて熱出して休んだり(笑)。写真:徳好琴美さん)

 

 

★3人とても息が合っている印象ですが、互いを一言で表すと?

 

安藤 それぞれ性格が全然違うね。(徳好)琴美ちゃんは変わった…(笑)、アーティスティックな感じ。芸術肌かな。

高原 誰も考え付かないことを考えたり。一般的にコレとコレを組み合わせたらおいしいよね~という組み立てがあるんですけど、琴美ちゃんは「どうしたらこんな組み合わせを考えつくのかみたいな」(笑)。それが、琴美ちゃんの手にかかると、まとまっておいしくなる。思いつきが新鮮。

徳好 雑貨店にいたときに、いろんな作家さんの作品を見たりする機会も多かったので、そういうところからもきているのかも…。

高原 生まれ持ったもんやね。

徳好 (高原)由香さんはきっちり。学校のときも、みんな同じガイドに従って作るんですけど、やっぱりきれいなんです。几帳面なんでしょうね。

高原 まあ(徳好)琴美ちゃんよりは丁寧かも(笑)。目指すところは、極力シンプルでおいしいこと、なんですけど。

安藤 なんかね、男前な感じのお菓子なんです。

高原 お酒の好きな人が好きなお菓子、ってよく言われます。

安藤 焼きが普通よりしっかりしていて、それがアクセントになってる。(高原)由香さんがコルドンで作ったケーキを毎週食べてたら、その味に慣らされて。普通のを食べると物足りなく感じてきたり。


 

 

★やっぱり作り手の個性が出るんですね。

 

安藤 お菓子はレシピどおりに作っても、違いがあるな~と感じますね。

高原 (安藤)美保さんは何だろう。安心する味。おいしい。

安藤 あくまで家庭料理の延長でいいかなと思うんです、私はね。レストランみたいにバシバシって味が決まるより、食べ飽きず体にやさしいとか…。特に最近は、そこに気を付けてますね。毎日安心して食べられるもの、という意識で。

高原 フレンチとか、最近はマクロビとか、いろんな料理を私たちは食べてるんだけど、どれも美保さんの味がするんですよ。全然ジャンルは違うんですけど。

安藤 よかった(笑)。

 

 

★アイナとして心がけていることはありますか?

 

安藤 おいしく、楽しく。簡単にですけど。方向性はやっていくうちに変わってきました。食を通じて体はもちろんですけど、大きくいうと環境を考えたり…。お菓子は楽しさや、おもてなしだったりしますよね。
生徒さんもイベントに来る方も、『食』好きな人が集まってくるので、その時間は大事に過ごせてるなあと思います。

 

 

★やりがいを感じるときは?

 

高原 教室だったら、みんなが「きれいにできた」とか「休みに作ったら、おいしかったわ」と言ってくれたとき。販売していて喜びの声が届いたとき。やっぱり食べてもらって笑顔を見られるときが「やっててよかったなあ~」と思いますね。

徳好 お客さんの反応が見られるとうれしいですね。徹夜とかが多いので…、肉体労働なんですよ(笑)。そんなとき「おいしい!」と言ってもらえると、疲れが吹き飛びますよね。

安藤 私もそう言ってもらえる瞬間が幸せ。作るのも好きなんです。料理がストレス解消になるというか。後片付けは好きじゃないんですけど(笑)。


 

 

★食の世界に携わっていて感じることや、仕事をしていて思うことは?

 

安藤 私はワインに関わっているんで、家族で食事を囲む機会が減っているなか、ワインが会話のきっかけになればと思ってます。甘いなとか酸っぱいなとか、この料理とあうなとか、食卓がにぎやかになる。なぜワインが好きかというと、それがあるからですね。例えば週末くらいはワインを飲みながらテーブルを囲んだらいいんじゃないかな、こういう時代だからこそ。
食事は生きるのに必要なことですけど、それを通じて幸せな空気が生まれたらいいなと思いますね。

高原 お客さんとの対話の大切さですね。ブログで月ぎめメニューでお菓子を販売しているんですが、ほとんどがメールでのやりとり。でもこの間、このケーキに合いましたよってお茶を送っていただいたいて、嬉しかったです。メールではなかなか相手が見えないけど、電話で話すと安心したり。直接、反応が感じられるやりとりって大事だと思いますね。

徳好 私は、ちゃんと食べることが大事かなと最近思っていて。忙しくて食べなかったりと時間がずれたりすると、元気が出なくなる。家で席についてご飯を食べてると、体も自然に元気になって、そういう状態がいいものを作ったり考えたりするのにつながるんだなと実感します。一生懸命やるだけじゃなくて、心のゆとりを持てる時間を食卓で過ごす、ということが大事だなと思いますね。


 

 

●フードユニットaina(アイナ)

http://www.aina-aina.com/
活動内容や、3人のプロフィールも。5月ごろリニューアル予定。

 

●安藤さんのブログ

Relais et campagne    http://mihoando.exblog.jp/

●高原由香さん(Trabajo)のブログ 

Trabajoのお菓子な生活  http://trabajo.exblog.jp/

●徳好琴美さん(cototoko)のブログ

cototoko パーラー    http://blog.livedoor.jp/cototoko

 

 

>>3/25に続く
フードユニット aina(アイナ) 安藤美保さん、高原由香さん、徳好琴美さんのインタビューは来週に続きます。

 


 

 

取材ブレイク

料理教室でもある安藤さんのご自宅でインタビュー。ほっと落ち着く空間に、コーヒーのいい香り。由香さん手製のクッキーは、ピリリと唐辛子の利いた大人の味。何より心地よいのは、ほんわかした皆さんの雰囲気。楽しくって癒されるひとときでした。

 

取材日:2009年3月7日

市内在住ライター。暮らしの中で接するあらゆる人の話に、ひっそりと息づく小さな真理。そんな“人生の知恵”に励まされ、癒される毎日です。
インタビュアー:中山 純子