【VOL.22】Jazz Band「CHO Sister Brothers☆Pianica Soul Beat!」のTommy張智仁さん No.2

 

前回に引き続き、Jazz Band「CHO SisterBrothers☆Pianica Soul Beat!」のリーダーで、ピアニカ奏者のTommy張 智仁さんのインタビューです!

 

★全米最大音楽祭

『South×South.west2007』(アメリカ/オースティン)や、「アヌシー音楽祭」(フランス/アヌシー)で演奏した時に感じた、日本との違いは?

オーディエンスの聴き方、反応の示し方が違いますね。

 

―反応がはっきりしているアメリカ

アメリカの場合は、そもそも、その会場に来る時点で、自分から楽しんでやろう(エンジョイ)と思っている人が殆どなんです。この時間を楽しむ、そのきっかけとしてどういう音楽を聞かせてもらえるのか?と。受身ではなく、能動的な感じですのでレスポンスはとてもダイレクトでね。サウスバイサウスでは舞台へ上がりセッティングをしている時から既に客席の熱気が押し寄せて来る感じで、1曲目が終わるや否やすごい盛り上がり、既に立ち上がって踊る人までいらして、どんどん盛り上げて頂いて私たちもヒートアップしましたね!

 

―日本的なフランス

一方、フランスでは、エンジョイという楽しみ方というより、「作品にどういうメッセージが隠れているのか?」というコアな部分の読み解きをそれぞれが楽しんでいる、そんな感覚を受けました。なので反応という事だけを見ると前半は一見静かに見えますが、実はとってもクラシカルに、真剣に聞いてくれていたんです。アヌシー音楽祭やジャズクラブ等で演奏させて頂いた時も、ライブ前半はじっくり聞かれていて、後半は会場とのコミュニケーションが 出来てきて、残り数曲に差し掛かった頃にはあれだけ静かに座って聞いて下さっていたお客様達の空気もガラッと変わり、熱を帯びて行くのが分かります、最後にはアメリカの時と同様に盛り上がり、スタンディングと言う感じでした。全ての演奏が終わったところで、全ての気持ちを込めて拍手する、オーケストラを聞く時と同じで全体像を把握理解してからというトータルな聴かれ方でしたね。そこが、日本ととても似ていると思いました。
 
でも、今お話ししたのは、目に見える部分でのことです。目に映る部分での反応は国によって違いますが、世界各国で演奏していて感じる事は、文化や歴史の背景の違いから来る表現方法が異なるだけで、人の本当の心、本心や熱意は世界の裏も表も皆同じ、「人種は関係無い、どこの国でも人の熱意誠意は伝わる!」と今ではそう感じます。

 

★今はもうライブの前に緊張することはない?

そうですね~、色々な場所で演奏させてもらう様になり、程よい緊張感はありますが昔のような嫌な緊張はありませんね。学生の頃はとても「緊張しぃ」で、人前に出て演奏するとガチガチで手が震える、なんて事もありましたけど(笑)

 

今思うと昔緊張していた原因は、「分からない・知らない」が故に「出来ない事」が多くて、その事が不安材料として自らの心に影を落とし、重圧をかけていたからなんだと思うんです。人にとって「知らない」って恐怖とかコンプレックスを生むんですよね。

 

その恐怖を隠す為に、人って強がってみたり、威勢よくしてみたり。でもそれでは原因はほったらかしのままの対症療法で、根本解決にはならなくて。音楽って伝える仕事なので同時に自分の内面も正直に出ちゃいますから、苦手を避けて通っても、そういう「自分を誤摩化した音」しか伝わらないんです。自分の「知らないこと・分からないこと」に、興味を持ち、学び、そして理解を深めて行く。緊張を取り除く方法ってこれが一番なんじゃないかなと、今となればそう思いますね。

 

★練習が「面倒くさい!」と思う時もあった?

正直ありましたネ(笑)あぁ休みたい~って。
学生の時、やらなきゃいけないと分かってるのにあれこれ興味やさんで、けっこう怠け者でしたね。それである時「このままではいかん!どうしたらこの怠け癖を克服できるか」って真剣に考えたんです。「人には誰でも癖があって、それは日頃の習慣から来由していて、そんな習慣なら苦もなくやる、どころか癖はなかなかやめられない」という事に気付いたんです。それならば先ずは「練習を習慣づければいい!」と単純に考えまして・・・。

 

夜寝る時、楽器を真横に置いて、朝目覚めたら先ず、やる気がある・ないに関わらず、とりあえず楽器に向かいあれこれ考えずにとにかく音を出す。寝起きなのでやる気どころか意識すらあやふやでテンションも上がらないんですけど、それでも半分寝ながらでもとにかく音を出す!あれこれ考えてないでまずはアクションを起こしてみるんですね。そんなことを1週間も続けていると不思議ですね、何となく昨日より今日、今日より明日っていう向上心のかけらが目を覚ます、そんな感じで、日を追うごとに1ミリずつでも上達できそうな感覚が出てくるんです。勿論そう簡単に行かない事も沢山あるんですが(笑)、だんだん練習する時間が楽しくなって当たり前になってくるんです。そうなればしめたもんです、1ヶ月続き、3ヶ月続き・・・と
リズムが出きだすと、今度はやらないと気持ち悪くなって来るんですね。頭だけで考えちゃったらダメです、考える前にやる!雑念が生まれる前にやっちゃうのが私のような怠け者にはいいんでしょうね(笑)


 

 


★今の目標は?

ピアニカが、オーケストラに必要な音としてスタンダードになっていけば素敵ですね~。
バロック音楽の時代に、モーツアルトやベートーベンが登場し、打楽器や、管楽器(トランペット・トロンボーン)がオーケストラに入ったことは当時としては革命的な出来事だったんです。それぞれの時代のパイオニアが、今ある音楽や形式が全てだと思わず、音楽の核を見据えた上での革命を起こしてくれたお陰で、既存の枠が外れ、それまでタブーとさえ言われていた事もどんどんスタンダード になって行き・・・。今僕達が当たり前だと思って聞いている音楽は実はそんな先人の恩恵があってのことだと思います。なので教材でしか使われなかったピアニカがオーケストラに入る・・・なんていう日も必ずやって来ます!!いえ、来るように頑張ります!!!

 

★J-POPも聞く?

はい!ジャンル問わず声に惹かれますね。
最近は平井堅さんが好きでよく聞きます。又、J-POPでは無いですけど学生の頃からずっと変わらず好きな歌声は、矢野顕子さん、山下達郎さん。

 

★洋楽も?

聞きますよ!小学生の頃よく聞いていたのはアバとか。あとテクノにもはまりましたよ!興味やさんで、ホントに色んな物を聞きましたが、あらゆる要素を含んでいる音楽、JAZZに辿りつきました。

 

★ジャズの魅力は?

包容力・・とでも言うのでしょうか?
ジャズは、常にその時代に、世界にある音楽を受け入れ取り込みながら発展してきました。「ジャズ」と言う響きから想像するのは、昔ながらのスウィングジャズやビバップをイメージする人も多いと思いますが、実はジャズという言葉は形式やリズムスタイルのことだけを指すのでは無くて、時代背景と共に常に変化しながら進化しているDNAのうように「現在進行形な生き物」が、ジャズだなぁと感じます。


 

★神戸で育ち、今も神戸を拠点に活躍される張さんのおススメのお店は?

元町の本通りにある、ジャズ喫茶「萬屋宗兵衛」さん。コーヒーは勿論ランチもおススメです!美味しいうえに、ボリューム満点です。地下にある雰囲気ある店内なので、時間を忘れて、ゆっくりできると思います。私はホームグランドとしてこちらでライブをさせて頂き、お世話になりました。

 

あと、元町商店街のすぐ北側にある、金時(きんとき)食堂 。仕事終わりのサラリーマンで賑わっています。ここは、皆さん相席は普通で、「相席のよしみで一杯どうぞ!」 なんていう忘れられた昭和日本が、残っている様なお店です。僕はこんな風景が大好きでバンドのメンバーともよく一緒に行きます!が、女性の方お一人ではちょっと勇気いりますか?(笑)

 

 

★張さんの人生におけるモットーやこだわりは?

「こだわらない」という事がこだわりかもしれないでね。 「ノンポリシー」という意味ではなくて。
私が幾つまで生きるかは分かりませんが例えば、私が70歳まで元気で生きられるとしますと「今年の桜きれいやなぁ」と言えるのは、僕の場合はあと30回余りしかない訳です。過去の自分の経験はとても大切な基盤になるんですが、何かにこだわってしまって、新たな発見をしないで、ただ30回、歳をとってしまうのはもったいないな、と思うん
です。そういう意味で、固執せず、こだわらず常に物事を新鮮な気持ちで見ていられるようにする事が、強いていえば私のこだわりかもしれないですね。一年一年がホントに大事で、日々色んなエッセンスを自分の中にダウンロードしながら柔軟な発想で演奏を続けていけたらなって思います。そんな大人?になりたいです(笑)

 

―夢を実現させる為に

まず第一に、夢を諦めないのではなく、夢をもった自分自身を認めてあげて欲しい。夢は何?と聞かれても、
「分からない」と答えてしまう人もいる中、「こんな事がしたい!」というのがあるのなら、そう思えた自分をまず信じてあげたいんです。時代や環境など生きて行くのに大変なことは山ほどありますが「夢を持てる」という事、すごく素敵ですよね。今の子供達には是非、目標では無くて夢を持てる心を持ってもらいたいと思うし、大人達は目標を与える前にそんな夢を持てる心を育てて上げて欲しいと思いますね。


 

★「CHO Sister Brothers☆Pianica Soul Beat!」のHPはコチラ

★張智仁さんのHPはコチラ

 

>>終わり
Jazz Band「CHO Sister Brothers☆Pianica Soul Beat!」の
Tommy張智仁さんの
インタビューはこれで終わりです。

 


 

インタビューを終えて

先月、CHO SisterBrothers☆Pianica Soul Beat!のフランス帰国ライブに行ってきました。ピアニカは教材として使われている事もあり、馴染みのある楽器ではありましたが、こんなにも、豊かな音が出る楽器だなんて!!と本当にビックリしました。演奏はもちろん、張さんのお話しが面白くて・・・★インタビューの時も、音楽のお話し以外にも、色々な質問をしてみたいな~と時間が経つのが一瞬でした。

 

取材日:2007年11月14日

様々な分野で活躍する神戸の方にインタビューします! 仕事の事から、人生観、ファションについて等々 「輝く人」の秘密を探ります!
インタビュアー:タカダ サキラ